高村薫の『土の記』を去年の11月から半年以上、ほとんど間を置かずに読み返している。 これまでにも気に入った本はあったし、再読することもあるけど、読み終えたとたんにまた読み始めるようなことはなかった。 何度も書いているように物語り的には平板で、大きな事件が起こるわけでもない。 強いて云えばラストの展開にしてやられる感はあるけれど、それも初回だけで、結果を知ってしまえば驚きはない。 にもかかわらず、どうしてこうも惹かれるのか不思議ではある。 よく無人島にもって行く本なんて設問があるけど、今のボクなら間違いなく『土の記』をもって行くと思われる。
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