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東京新聞コラム 筆洗 2013-01-31付
「地震の後には戦争がやってくる。軍隊を持ちたい政治家がTVででかい事を言い始めてる。国民をバカにして戦争にかり立てる。自分は安全なところで偉そうにしてるだけ」。昔、有名なロック歌手がそう書いていた▼「日本国憲法第9条に関して人々はもっと興味を持つべきだ」という題名でつづったのは、四年前に亡くなった忌野清志郎さん。雑誌で連載していたエッセーをまとめた『瀕死(ひんし)の双六(すごろく)問屋』(小学館文庫)に収録されている▼書かれたのは阪神大震災から五年後。ただ、よく見ると、「没原稿その二」とある。事情があって雑誌には掲載されなかった原稿が、単行本化する際に復活したのだろう▼欧米とは違って政治的発言を控える芸能人が多い中、レコード会社の横やりにも負けず、反核や反原発を訴える曲を発表してきたこの人が健在だったら、福島の原発事故の後、どんな行動をしただろうか、と想像してみる▼衆院の代表質問で安倍晋三首相はきのう、憲法九六条の改正に強い意欲を示した。反発の強い九条は後回しにして、発議の要件を緩める既成事実をつくり、外堀から埋める戦術だ▼「五十年以上もの間、戦争の無かった国は世界でも珍しいのだ。その点だけでも日本はすばらしい国ではないか」とも清志郎さんは書いていた。それを誇りに思えない人たちが、残念ながら増えているらしい。
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